Shinya talk

     

 

2014/04/26(Sat)

セウォル号の海難事故について(Catwalkより転載)



楽天的な性格ゆえに、普段はあまりストレスのない方なのだが、ここのところ気分が優れす、朝の寝起きが悪い。



船長として長年海に馴染んで来た者として、今回の韓国の海難事故は相当こたえた。



何百人もの将来あるうら若き子供たちが、海の中で殺されたのである(おそらく奇跡は起こらないだろう)。



あえて”殺された”と言ったのは私たち海に馴染むの者からすれば旅客船セウォル号の建造と運用に多くの疑念が浮かび上がるからだ。





一般的に船舶というものは、その造船時に前後左右上下のバランスを極めて厳密に割り出し、建造される。



船は車と異なり水に浮かぶものであるから基本的には極めて不安定なものであり、そこにバランスの厳密な数式の応用が必要となってくる。



このセウォル号はご承知のように元日本の海運会社所属でその後韓国に売却されている。



ニュースではその売却後に船は改造され、写真のように船のスターン部(後方)に3階部分が増築されている。



つまり船用語で言うとトップヘビーということになる。





トップヘビー





このことによって船が非常に不安定なものになったと日本では報じられている。



しかし今回の悲劇の最大の原因は私の見るところ船のトップヘビー(それもひつの要因だが)にあるのではなく、バウ(船首)ヘビーであったことにあると思う。





このことは横転時の船の写真を見るとバウ部デッキにたくさんのコンテナ(船の大小に関わらず普通はバウ部には重量をかけないのが船の運航の基本である)が積み上げられていることからも明らかである。





コンテナ





つまりバウがヘビーであることはどう言うことかというと、船首が前のめりになり、やや水に突っ込んだ格好となるわけだ。



バウが水に沈むと船は非常に不安定になり、燃費も極端に悪くなる。



そしてこの状態で面舵いっぱい取り舵いっぱいで船を方向転換すれば、船首に大きな水の抵抗がかかり、曲がろうとした逆の方向に船は大きく傾く。



その上でこの船が悲劇だったのは船の後方部がトップヘビーだったということになる。



方向転換をしながら船首が水に突っ込み傾いたとき、ちょうど船の後方部トップが重いためにねじれるような形で左舷側に大きく傾いてしまったわけだ。



そして船が大きく傾いた時にコンテナや車などの積み荷が写真のように滑動し、片荷となり、船はさらに大きく傾くことになる。

さらにこの船がずさんだったことは荷留めをしていなかったことだ。





何千トンもの船が方向転換をしただけでなぜ傾いて沈没てしまったのか、普通の人は七不思議を見るような思いを持たれるかもしれないが、以上のようないくつもの悪条件が重なった結果が今回の海難事故だと船長は見る。



しかし日本の報道ではこの船は日本の海運会社から売却されたものであり、その後船の上階が増築されたことが不安定の要因だとされている。



しかし今、韓国では、船が不安定であった要因は増築にあるのではなく、暗にもともとこの船の造船時に問題があったのではないかと言う報道がなされている。

つまり、今から5年ほど前同じ造船所で作った同じ形式の船が同様の海難事故を起こしておりそれが論点となっているのである。

日本ではこの両海難事故の対応の違いが強調されている。



以下、韓国内の報道。



file:///Users/mojiko/Desktop/세월호와%20같은%20제조사%20여객선,%20日서%20'쌍둥이%20사고'%20-%20네이버%20뉴스-2.webloc
以下ニュースの訳。




◆セウォル号のメーカー客船、日本で双子の事故



事故原因をより集中的に探ってみましょう。去る2009年、日本でも今回の事故と似た一種の双子の事故がありました。積載した貨物が一方的に傾きながら、このように船が90度に倒れてしまいました。



ところで、この事故を起こした旅客船もセウォル号を売却した日本の海運会社所属で同じ造船所で作られました。



まず、東京からチェソンホ特派員です。



右側に40度ぐらい傾いたまま、中心を捉えようとありったけの力をふりしぼるこの船は日本の客船有明号です。そうこうするうちに4時間、最終的には90度角度で海に横たわってしまいました。水深が浅いところに押し出されて、沈没という最悪の状況は避けました。



去る2009年11月13日、日本の三重県沖で発生した事故です。大きい波にあたった衝撃で、船内に載っていたコンテナと貨物車など2,400トンの貨物が片側に傾いて、ついに復原力を回復できないまま倒れました。



ところでこの船が所属した会社が丸栄フェリー、直近2012年までセウォル号をナミノウエという名前で運行していた会社です。両方の事故は、「双子の事故」と呼ばれるほど似ています。



7千トン内外の船舶では、両方とも長崎県にある林兼船渠(注1)で1年差で作られました。乗客コンテナ貨物を一緒に乗せる方法も同じで、何よりも積載された貨物が傾いてひっくり返ったプロセスが似ています。最初に傾いた原因は違っていても展開過程が似ているというのが専門家の評価です。





渡辺/東京海洋大学教授:

船の中に荷物が散らばったという証言とも一致して、船腹が突然傾いてバランスを失い、そのために被害が大きくなったというのが共通点です。当時、有明号には乗組員と乗客28人が乗っていましたが、全員無事に救出されました。





いま世界はグローバル化によって情報が瞬時のうちに共有されるというものの見方が一般的だが、国と国との利害関係によってむしろ情報が隠ぺい化されるという逆の傾向が生まれており、今回の韓国の海難事故報道の日韓の異相にもそれが表れているように思える。





付け加えるなら、報道はされていないが、今回の悲劇をさらに重くしたものは1年のうちでこの時期が海洋において最もプランクトンの発生する時期に当たっているということである。



潜水夫の話によると視界はわずかに30センチから50センチというからほとんど何も見えないに等しい。



これでは救出の手立てがない。

今の時期は日本においてもプランクトンが多く発生しているが視界30センチから50センチというのはあまりにも極端である。

おそらくこれはpm 2.5と同じように中国大陸から大量の工業排水生活排水が海に放出され海に極端な富栄養化が進んだ結果ではないかと思われる。



そのように今回の悲劇には様々な要因が集約されていると考えられるわけだが、そのような原因究明も当然必要なことではあるが、何百名にも及ぶ若き尊い命が未だ海の底にあることを私たちは哀矜の意をもって相対すべきだろう。



     

 

2014/04/03(Thu)

やがて、かつてテレビにも世の中を語るような番組があった、と懐かしまれる砂漠のような時代がやって来るという予感(Cat Walkより転載)。



3月19日にアップしたトーク「ただ漫然と視聴するのではなく、今後「みなさまのNHA(BE)」で何か小さな異変が起こっていないかの”気づき”が必要である」はメディアの危機状況に触れた。

その中で今後テレビのブラウン管から姿を消すとの情報のある方々の名前を列記したわけだが、4月1日の民放の番組改編をウォッチするとメディアの危機状況はそれ以上に深刻なようだ。



3月19日のタイトルはNHKに照準を当てたものだが、私たちは政権のNHK人事の介入ばかりに目を奪われ、その影で着実に進むであろうより御しやすい商業放送の動向に関心を寄せることがおろそかになっている。

が、実のところNHK以上に商業放送の方が非常に危ない状況になっているのである。



私はテレビというものを熱心に見ているというわけではないが、何か事件のあったおりなど例えばワイドショー系は野次馬根性を発揮し、時に他のメディアではやらないくらいの掘り下げた取材をすることがある。



そういった意味で時にそれは重要な情報源なのである。



だが昨日今日とSTAP細胞関連の雑情報をその手の番組から得ようとして唖然とした。



このSTAP細胞問題とはこれまでの経緯からこれまで取り沙汰されてきた生物学マターではなく、言いなりになる小娘をシテ役としたきわめて醜悪な政治マター臭がプンプンと臭いはじめており、ここにはどうやら現政権(文科省)と理化学研究所の根深いお手盛り癒着構造が眠っているように思われる。



こういった出来レースはNHK籾井問題もまったく同様の構造であり、現政権の権力濫用はとどまるところを知らない。



すでに明らかになっていると言って過言ではない、そういったSTAP細胞をめぐる政府と理研の癒着の動静を伺おうと昨日今日とワイドショーをにチャンネルを合わせて見るのだが、STAP細胞関連に触れた番組は朝のテレビ朝日たった一件だけで、他は軒並み毒にも薬にもならないエンタテイメント系の番組に様変わりしていて驚いた。



特に驚いたのが硬派の報道系であったテレビ朝日の昼のワイドショーが家「徹子の部屋」とそのあとの料理番組に変わっていたことである。



そのテレビ朝日の昼のワイドショーには3月19日のトークでブラウン管から姿を消すと書いていたなかにし礼や古賀茂章などが常連で出ており、私が入手した情報がガセでなかったことが裏付けられている。



ワイドショーと言えばかつてのみのもんた騒動を思い出す。

このみのもんた騒動では1年近くも公安ともんた側の綱引きがあり、これは現政権の差し金だと思われるが、結局みのもんたの息子の不祥事は世間に公表されるところのものとなり、その流れの中でみのもんたはワイドショーのキャスターの座を追われている。



私と同じ年齢であるみのもんたは、時に問題発言もあったが「朝ズバッ!」の名の通り歯に衣着せぬ発言で時の政権にさえタテつくようなところがあった。



この4月のまるで砂漠のような民放番組の改編はすでにみのもんた失脚のころから射程距離の内にあったと見なすべきだろう。



去年は秘密保護法是非に世間の論調は揺れたが、言論の自由保障をするしないの領域を越え、そもそも言論の場が摘み取られる方向にある昨今のメディア状況を見ると、すでに秘密保護法はかなり完璧な形で施行されているという味方も可能である。

201405のログ 201403のログ TALK一覧ヘ