藤原新也Podcast「新東京漂流」Vol.46からはイギリスのロンドン、スエーデン、ニューヨーク、北京、に在住の主にジャーナリストの方へのインタビューである。
今回その四元コンタクトは通常のインタビューと方式を変え、リモートでのやり取りの際、問う側の声はカットし、答える側の話を通しで流し、藤原がそれに対してきちんとモノローグでコメントを出すというこれまでにはない方式を編み出した。
というのは電話やリモートでのやり取りというのは聴く側も他人の会話を聴いているように雰囲気だけが右から左へと通過してしまい、あとに問題点が残らないということを私個人は感じていたからだ。
そこで編集ディレクターと相談をして、まず前振りで藤原のコメント、先方の話を編集し通しで流す。その後に先方の話の中でそこが要点だということを藤原が掴み、その要点に対し藤原がじっくり自分の考えを述べる、というインタビューとしてはおそらくこれまでにはない方式を作ったわけだ。
このような試みはおそらく本邦初めてのことで基本的には聴く側に評価を預けるわけだが、私自身は成功したと考えている。
こうした方式をとったのはネットではなく、紙媒体における活字化した対談とその後書きの記憶があったからだ。
とかくネットでは人の言葉は軽くなり、さらにはリモートや電話対談のようなものになると言葉というものが活字のように定着しない。
そういう意味では今回のPodcastはネット言語の活字化の試みであるとも言える。
今回インタビューさせていただいたのはロンドンに20年ほどお住まいのジャーナリストの森園ユウさんである。
この方は編集サイドの方から探してコンタクトをしたのだが、奇遇というべきか私と過去に縁があった方というのが以下のようにわかった。
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ロンドンの森園ユウさんは、20代の頃、J-WAVEで番組制作の仕事に携わっていました。
そして、彼女がロンドンに移住する前の数年間にやっていた番組が、(僕の友人である)ロバート・ハリスがパーソナリティを務める夜の番組で、藤原さんが一度、その番組のゲストとして出演されたのですが、そのときに、藤原さんにご連絡し、番組出演をお願いしたのが、森園さんなんです。
今回も、僕のインタビューに応える前に、彼女は藤原さんのPODCASTをほとんど全部聴いていて、その彼女が僕に、「藤原さんは、誰かにインタビューしても、もちろん面白いけれど、でも、ひとりで喋っているのが、一番面白いし、きっと聴いている人たちの多くは、藤原さんの独り語りが聴きたいんじゃないか」
と僕に言っていました。
編集ディレクター今井談
Podcast 藤原新也「新東京漂流」