令和餓鬼草子、国民そっちのけ派閥によるお手盛り総裁抗争をそのように表現した。
またドブさらいの底から掬い取られた菅というもの言いをした。
だがこれは政局のことを言っているのであり、人物評価ではない。
私たちは近い将来良くも悪くも一人の国民としてそういった腐敗臭匂う政局によって生まれた首相を迎えざるを得ない立場となるわけであり、そういった条件下で人物の好き嫌いを越え、敢えて今回の総裁候補菅、岸田、石破、三者への期待度を表すとするなら意外に思うかも知れないが船長個人は菅現官房長官に1票を入れる。
というのは彼はこの国難時に為政を行う上において他の二候補にはない有利な条件を得ているからだ。
菅は安倍政権7年8ヶ月の間、官房長官として安倍を支えたわけだが、その「支える」の意味は彼が政治家としての信念や方向を指し示したということではなく、あくまで役割としての官房長官を務めたのであり、安倍のいかなる不祥事もそれをフォローする立場を押し通したということである。
彼は最側近として安倍の所業をじっくりと見ており、その成否、善悪も飲み込んだということだ。
彼の強みはその安倍の7年8ヶ月を客観的に眺める立場にあり、当然自分が首相であるならこうする、こうはしないという批評眼を持って安倍の為政をあの冷たい目で見ていたはずだ。
コロナウイルス問題を含め、首相最側近として実践的に問題点を感じていたとするなら、それは彼が首相となって為政をする上における他の二候補にはない強みであり、仮にその経験の上に立って真っ当な為政をしたとするなら化ける可能性があると言うことだ。
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彼が首相になって最初にやるべきことは一例として彼の持論であるケータイ企業の暴利構造に手を突っ込むことだ。
これは決して小さいことではなく、まるで税金のごとく老若男女に”課金”される携帯料金がいかに国民を蝕んでいるか。
特に持たないと言う選択肢のない貧困な若者への学割や未成年割引もない法外なスマホやwi-fi課金は改めなければならない。
このコロナウイルス禍であらゆる業種が割りを食っている中、ケータイ企業だけが前期同様の収益を上げているのは理不尽でもある。
だがこう言った巨大企業の収支に手を突っ込むのはよほどの手腕を必要とするわけで、この一点においても首相としての彼の腕が試される。