Shinya talk

2020/04/20(Mon)

「一灯照隅・万灯照国」それに尽きる。(CATWALKより転載)



このコロナウイルス禍の時勢において前後左右さまざまな問題が私たちを取り囲んでいるが、その細部は置くとして大きく分けると以下のようになる。





@感染、そして感染爆発(アウトブレイク)をいかに防ぐか。



A医療崩壊をいかに防ぐか。



B対社会(国家や他者)に対する意識をどのように維持すべきか。



C日常長期化する禁断(自制)生活への対処(医療崩壊と同時に懸念される家庭崩壊)。











今日は@に関して述べるなら、定期的に情報を提供していただいている医療関係のN.Y.君の後記の投稿にもあるように早急の問題は指数関数的に上昇する感染者数が感染爆発(アウトブレイク)に至ることをいかに食い止めるかということにある。



そんな中、何か神のようなものの降臨を頼むというような他力を期待することは禁物で、私たち個人個人がその鍵を握っているという自覚を持って出来ることは、ことわざの「一灯照隅・万灯照国」的行動をすることに尽きる。



つまり自身の足元を照らすに過ぎない小さなともし火も、それも万集まれば国をも照らす力となりうると言うことである。

今ほどこの言葉が実践的側面を持って迫っている時はない。



専門知識の持たない私たち個人個人にできることは当初からこのトークでも述べているように単純に「うつさない・うつらない」を日常の中で各々が努力することに尽きるわけだ。











私個人のことで言うなら人との接触を完全に100%にシャットアウトできないものの、たとえば本当に残念だが、この5月に予定していたPhoto Award授賞式の会場をキャンセルし、Parisの写真展のクローズに合意し、また近々行われる新聞のインタビューを電話インタビューに切り替えてもらい、いま現在進行中のラジオに関しても番組の軸と考えていた他者との対面のインタビューはこのコロナウイルス問題が収束するまで一旦据え置き、人との接触のないそれに変わる新しい企画を考えたりとさまざまな方策を練っている。



ラジオではこの22日に私が東京を歩いて実況をすると言う企画を立てていたが、それもとりやめてもらった。

屋外でもあるし、確かにそのことによって即他者にうつしたりうつされたりと言う状況は生まれない可能性の方が高いが、それ以上にこういったメディアというものが特別な存在で、市井の人々と異なった行動を取っても許されると考えるのは思い上がりで間違いだからである。

というよりむしろメディアこそ、逆に人々の範を示さなければならないと私は考えており、相手側そのことを伝え、納得してもらったわけだ。



仮にラジオの場合、私のモノローグ(語り)のみの場合であってもスタジオに赴いて人の接触が生じるわけであり、その接触機会を軽減するべく、自分単独でレコーディング出来るようにミニスタジオ的なレコーディングシステムの構築をはじめている。











N.Y.君から提供していただいた世界の政治、経済、人口、などさまざまな分野をリアルタイムで数値化する「Worldometer」では世界の国々と比べ、感染者の指数関数的伸長率が、特に同質のウイルスに感染していると見られるアジア諸国と比してこの日本が”置き去り”に近い状況であることが知れる。



安倍政権下で、特に311以降完全に内向きになったメディアや国民意識は、今こそ世界の側から自分を見つめる視点を持たねばならないことがWorldometerのデータであからさまになるわけだ。



当初からPCR検査を徹底的に行った韓国はすでに感染者数1日あたり1桁台となり、街は元どおりの賑わいを見せ、頭脳的作戦を講じた台湾に至っては新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、すでに感染者数ゼロを達成している。



この結果は韓国や台湾の場合はサーズ時の教訓が生きているという決まり文句の言い訳は通らず、日本の新型コロナウイルス対策(対策をして来なかったこと)があきらかに失敗であったことが浮き彫りとなっていることを示している。



この分だと隣の国々では市民が焼肉店や中華店で開襟し、ワイワイと宴会をやっている最中、ニューヨークやマドリッドなどに続いて遅れた感染爆発(アウトブレイク)がこの日本を襲い、世界の注視を一身に浴びないとも限らないわけだ。



そして政府と国民がそれくらいの危機感を持っているかどうかだが、この政府にしてこの国民ありというべきか、巣鴨のとげ抜き地蔵通りや普段より人通りの多い戸越銀座のにぎわいを見ると言葉は悪いがバカがぞろぞろ闊歩して家族や国を滅ぼそうとしているという以外の何か適当な言葉が見つからず、実際に国が滅びてしまった戦前の街を闊歩する提灯行列を彷彿とさせる。











そういう意味でせめてこのCATWALK船内だけは自覚を持っていただくために世界で2千5百万回以上ものアクセスがあった、アメリカのミシガン州の一人の家庭医が「家庭でも応用してもらいたい」とアップした「医療の現場で行われている物による感染防止方法」の動画を以下に貼り付ける。


https://www.youtube.com/watch?v=sjDuwc9KBps&feature=youtu.be



私もこのトーク内で宅急便などの箱や内容物の熱消毒を提唱したが、動画を見ながらここまでやるか、との思いが生じないでもない。



だがすでに新型コロナウイルスが蔓延している以上、医療の現場で行われているモノからの感染防止方法を取り入れなければならないような現実に私たちが直面しているということである。



どこやらのテレビで若い小ぎれいな医療関係のゲストが司会者が「物からの感染はないのか」との質問に対し、諸外国ではそういった報告はないからその心配はない、と妙に流暢に自信を持って答えていたが、ドアノブやエレベーターのプッシュボタンからの感染は早くから言われているところのものであり、そういった専門職風の人間でさえつい無自覚なウソをついてしまうような日本のご時世への警鐘としてもこの動画は機能しているとも言える。






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