Shinya talk

     

 

2020/10/31(Sat)

藤原新也 podcast 門司港編、放送中



藤原新也のpodcastが開局されて今現在vol.32回となるが、今、藤原は門司港帰郷の話をしている。
この話がなかなかスリリング。

CATWALK編集部


Podcast 藤原新也「新東京漂流」


     

 

2020/10/31(Sat)

藤原新也 podcast 放送中

     

 

2020/10/28(Wed)

「非接触時代の行方」の仮説は雛形としてすでに目の前の現実に現れつつあるのではないか。(Cat Walkより転載)

今日は私が最近気になっていることを話してみたい。
ここにひとつの現象がある。

スペイン、フランス、イタリアなど欧州各国のコロナウイルスが再燃し、ふたたびロックダウンに突入せざるを得ないというような状況に陥っているということだ。
私の姪の住むマドリッドでは感染者がうなぎ上りで長期に渡って夜間午後11時から朝8時までの外出禁令が出ている。
ご承知のようにスペインは夜の街であり、夕餉の宴は9〜10時ごろにはじまるわけだから、日本において午後5時以降の外出を禁止するに等しい。
かくもさようにヨーロッパは深刻な事態に直面している。

その状況に関連して私はふとあることを思い出した。



2月だったか3月だったか、つまり新型コロナウイルス騒ぎが持ち上がったころのことである。ある人からひとつの動画が送られてきた。
それはマスクや手洗いを否定するアメリカの若い医者の動画だった。
私はその頃N95マスクの効用や鼻うがいなどの効用をトークを盛んに書き始めたころであり、FOXというメディアが出典元でもありその動画を一笑に付して放置した。

アメリカのCNNがどちらかというとリベラルかつ民主党や、中国寄りなのに対して、FOXは共和党支持者や、アメリカの保守の人たち御用達の古き良きアメリカ的なメディアである。

どちらも大手だが、FOXは白人メディアと言うべきもの。
よく見ると、お医者さんのガタイもかなりいいし、髪型も、古き良きアメリカ的なスタイルだし、ある種のFOXが仕掛けたプロパガンダだと私はそう理解した。

私はその後、ご承知のように私は「非接触時代の行方」と題し、人々の非接触行動が何年も長引くことによって接触によって鍛錬されるはずの腸内細菌叢が弱体化し、日和見感染症に罹患しやすくなるのではないかという仮説を立てている。

そんなさなか、私は今日のヨーロッパの現状と見据えながら、近ごろ小さな戦慄に近いものを覚えつつある。

ひょっとするとその「非接触時代の行方」の仮説は早々と小さな雛形としてすでに現実化しはじめているのではないか。

そのような思いに打たれたのである。

私が3月に無視した動画は以下のものである。
画面が小さく読みにくいのと翻訳が大雑把なので以下に私が多少手を加えた動画のテキストも書き写した。

https://www.youtube.com/watch?v=FFnCUn9zUWU&feature=youtu.be

以下・動画訳。

我々は自分の身を守るために緊急用にはマスクをつけます。
しかし通常われわれはマスクをつけていません。
というのは微生物学、免疫学を理解しているからです。
そして、免疫システムを確保するためです。

我々の免疫システムは触れることによって構築されるのです。
つまりブドウ球菌、連鎖球菌、バクテリア、ウィルスと握手するのです。
これより毎日免疫反応を育てることが可能です。
私からブドウ球菌、連鎖球菌、バクテリア、ウィルスとり省くと、私の免疫システムは下がりさがります。

つまり家に閉じこもると、免疫が下がります。
数ヶ月も閉じこもると、もっと下がります。私たちは家に帰ると派手に手やカウンターを洗いますね(それによって免疫力は低下します)。

われわれは我々が生きるのに必要なものを排除していることを心配しているのです。
免疫不全でもなく、年寄りでもないなら、手袋とマスクなしで外に出るべきです。
あなた方はそういうものなんです。
家に閉じこもったり、マスクや手袋をつけますね。
全員にマスクと手袋が必要とは思いません。それが細菌叢を減らすからです。
これによって社会との接触ができなくなるわけではありません。細菌叢やウィルスは友人なんです。
他の病気から守ってるんです。追い払っているんです。
でなければ、より日和見感染しやすくなります。
我々が全員家に閉じこもり、免疫システムを低下させ、ウィルスやバクテリアを交換し出すとどうなりますか。
病気が急上昇です。重ねて言いますが、ワレワレの免疫システムの構成要素はウィルスとバクテリアです。




ご承知のように今、新型コロナウイルスの再燃現象に見舞われている欧州諸国はこの日本とは異なり早々と外出禁止令を発令し、ロックダウンの完全非接触政策を実行した。

本来ならそれだけ極端な非接触行動を国民に強いたとするなら、その結果、コロナウイルスの活動は収束に向かうはずである。
いやそれを目指したがゆえのロックダウンだった。

だが、奇妙なことにロックダウンを挙行した国において新型コロナウイルスは再燃現象を呈している。

私はその不可解な現象を見ながら、ふと私がお蔵に入れた、あの疑わしい白人メディアの動画のことを思い出し、少なからぬ戦慄を覚えたわけだ。
そこにも一理はあるのではないかと。

「ひょっとするとあの完全非接触・ロックダウンは逆に人々が日々更新しなければならない免疫力を低下させたのではないか?」

それによって人々が解放されてのち、さらに新型コロナウイルスに罹患しやすい体になったのではないか。

そのようなことに思いを馳せながら、私の脳裏に走ったのは当然のことながらあの新型コロナウイルスに対して一切の対策を取らなず放置したスエーデンの現状のことである。
ひょっとするとこの国では新型コロナウイルスの再燃はないのではないか。
調べてみて少なからぬショックを覚える。
スエーデンではやや上昇はみられるものの問題のレベルではなく、いわゆる再燃現象は起きていないのだ。



「非接触時代の行方」は新型コロナウイルス禍による非接触が長期化した場合の仮説だったわけだが、私たちが日々細菌やウイルスに接触することによって自転車操業のごとく日常的に抵抗力の更新をしているという件の動画と、そしてヨーロッパの現状に鑑み、その現象は大団円に移る前の雛形としてすでに現実化しているのではないかと密かに思う。

思うにバクテリアやウイルスというものは日々私たちが体力を養うために食べている食物のようなものと考えると分かりやすいのかも知れない。

それが事実であるとするなら、私たちが今履行しているコロナウイルス対策も修正、もしくは根本的に見直す必要があるわけだ。

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