Shinya talk

     

 

2020/01/29(Wed)

入り乱れるコロナウイルス情報の中で、私たちが依拠すべきは、ブッダの「毒矢のたとえ」ということになる。(CATWALKより転載)




地球上にあるもので食わないものは四つ足では机や椅子、2本足で食わないものは両親、と中国人を揶揄するジョークは清朝の時代からあるが、ゲテモノぐいの宝庫である中国は上海でもっとも眉をひそめたものは小ネズミの踊り食いだった。

日本にもシラスの踊り食いなどがあるが、中国にもこの手の踊り食いの店があり、今はあるかどうかは知らないが、70年代には驚くべき店があった。

円卓を囲んだ家族の前に針か何かで神経を鈍らせて走って逃げないようにしたピクピク動く尻尾も毛もある小ネズミが大皿の上に盛られて出される。

それを箸で取り、隣の小皿のマスタードオイルのようなものにひたひたと浸し、そのまま口に放り込み、もぐもぐと食べるのである。

隣に座る幼児はネズミの骨を口で砕くことが出来ないから、深皿の中を泳いでいるオタマジャクシをお母さんがスプーンで掬い口に入れてやる。






今回武漢の市場で発生したコロナウイルスのことで思い出した昔の中国の一コマである。

今回のコロナウイルスは動物由来と言われ、コウモリなどがその発生元という情報もあるが、その情報に合わせたようにコウモリの羽を持ち上げて食す少女の写真がネットに出回ったが、これはどうもヤラセくさい。

ただし仮にそう言った食材として武漢の市場に売られていた動物がコロナウイルスの発生源だとすれば、ではそのウイルスはなぜその個体に発生したのかということが謎である。

火のないところに煙は立たないようにその火(コロナウイルス)を普通の個体が発生させたとしたら奇妙なことである。

ということでこのコロナウイルス、生物兵器の事故ではないかとの憶測が流れ、例によって一部のアンダーグラウンドネット情報が騒がしい。

そんな中、26日このウイルスは武漢の生物兵器研究機関から漏れたのではないかとの記事がアメリカのワシントンタイムスに掲載されたがこのワシントンタイムスというのはワシントンポストのような一流新聞とは異なり、日本で言えば夕刊フジとか日刊ゲンダイのようなゴシップ好みのタブロイド紙だからこれも一概には信用は出来ない。

記事を寄稿した人物が中国の生物兵器を研究している元イスラエル軍事教官と聞いて大きな括りからすると中国とは敵対関係になりうるイスラエルのアメリカロビーのフェイク情報とも受け取れる。

だがこの生物兵器研究機関発生説を全否定する証拠もない。






思うに37各国で774人が死亡した17年前の2003年のサーズも発生源は同じく中国でありこの時も生物兵器事故説が流れ、それは都市伝説として片づけられた。

しかしその後サーズウイルスは北京の生物兵器研究機関から漏れたものと、あの権威あるイギリスのネーチャー誌に論文が載ったがサーズ騒ぎから時を経ていたために話題にならなかった。

まさかネーチャー誌までアメリカ陣営に組みしているとは思えないから、そういった過去の例を勘案するならこのワシントンタイムスに載った記事をただのフェイク情報として一笑に伏すことも出来ない。






いわゆるこういったエマージェンシー時には様々なフェイク情報や雑音が入り乱れるわけだが、その発生源が何処の何かということは重要な問題ではなく、こういった状況の中において私たちがなすべきは自己防衛以外にない。

ブッダのたとえの中に「毒矢のたとえ」というのがあるのをご存知だろう。

ある時、頭の良い青年が毒矢(ウイルス)に射られた。

その射られた青年は駆けつけた医者に「この矢を射た者は誰か? 弓はどのようなものか? 弦(つる)は何で出来ているか? 矢羽はどんな羽で出来ているか?」と真実と事実を知ろうとする。

がその真実を知る前にその青年は死ぬはずだ。

ここで教えているのは、やるべきことは事実や真実を知る前にその毒矢を抜いてまず手当をする、という即時行動ということである。






その毒矢のたとえに習うなら、私たちに今できる最低限のことは自からがウイルスに汚染されず、また汚染源となって他に被害をもたらさないことだろう。

巷間言われているように外出時にはマスク(できれば3Mクラスか活性炭フィルター入り)を常用し、帰宅時にはうがい、手洗い、は基本だろう。

つまり露出部分の洗浄ということになるわけだが、ひとつだけメディアで言われないのは顔面も露出しているということである。

セシウムなどはウイルスと似て目に見えないから私は放射能汚染地区を取材してホテルに帰った後はうがい、手洗いは当然のことだが、洗顔と洗眼もしていた。その洗顔と洗眼はゴシゴシ擦るのではなく、顔を下に向け、濃度の低い塩水をヒタヒタと顔面と眼にかけ、付着物を洗い落とすということである。

もうひとつ露出している部分は鼻腔であり、これに関しては鼻うがいをする必要がある。

私はこの鼻うがいはモスク礼拝で五穴洗浄をするイスラム圏で習ったが、慣れれば簡単に誰でもできる。

体液と同じくらい濃度の低い塩水をコップ(手のひらでもよい)に満たし、コップの縁を鼻腔につけ、わずかに顔を上むきにそらすようにして鼻から空気を吸うようにすると、ブクブクと塩水がおのずと鼻腔の奥に流れる。

この際注意すべきは、強く吸わないことである。

鼻で飲む、という要領だ。

そうすると鼻腔に流れ込んだ塩水は口とつながる中咽頭あたりからなだれ落ちて来るから、それを飲まず口から吐く。

コップ7部目くらい塩水を使ったことろで、残りの塩水でうがいをする。

私はこの鼻うがいは習慣になっており、といっても毎日やるわけはなく外出から帰ってきて何となく鼻がムズムズするというような時には必ずやる。

非常にすっきりとする。

ただし鼻腔には粘膜があり、この粘膜も生理的には大切なものだから、あまり洗い過ぎないことが大事だ。毎日やるのも良くない。

ウイルスの防御で個人でできるのはこれくらいだろうが、これはあくまでエマージェンシー時の時のことであり、あまり神経質になるのもよろしくない。

なお鼻うがいに関しては練習することである。

練習するとすごく上手になるが、こういったものがプロ並みに上手になったと言ってあまり格好の良いものではないから自慢げに人前でやらぬように。



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