2020/04/09(Thu)
7日の緊急事態宣言の視聴率は70パーセントというから国民の大部分が固唾を飲んで成り行きに注視していたわけだ。
だが蓋を開けてみれば何一つ方策と呼べるような案もなく、ただ政権の自信喪失とふらつきばかりが目立ち、さらに国民の不安を増幅させてしまった
この自信のないふらつきは安倍首相が装着している布マスクに象徴される。
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466億円もの大金を使い、全家庭に2枚の布マスク(これは戦後給食おばさんが唾を飛ばさないよう口元につけた布マスクに同じ)を配るという信じがたい堕策を発表するやいなや、各方面から非難の嵐にさらされ、さらに布マスクは不織布マスクに比べ使い物にならず、首相の装着しているマスクの小ささを指摘されると、慌てて彼は通常の不織布マスクに付け替えたところ、今度は、では国民に配った布マスクを安倍首相はなぜ装着しないのかという真っ当な批判が飛び出た。
そうすると安倍首相はまた不織布マスクを辞め、再びあの隙間だらけのちょんちょこりんな布マスクを再装着しはじめた。
今現在彼がテレビ画面に出てくるときはいつも案外安倍にお似合いの給食おばさんになっているのだが、ここで注目したいのは奇妙なことに背後に居並ぶ厚労省の役人もまた一律給食マスクに切り替えていることである。
マスク評論家としての私は議員や役人がどういうマスクをしているのかよく見ているから知っているのだが、以前は厚労省の役人は思い思いの不織布マスクを装着していた。
だが会見で前面に立つ安倍一人が給食マスクで背後の役人が不織布マスクでは格好がつかず、どうやら役人にもテレビに映るときは自分と同じ布マスクをしてくれと要請したことがその画面からアリアリと読み取れるわけだ。
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一国の首相でありながら、一国の国難時に自分の立場を擁護すべくこまごまと小細工をするこの人間の器の小ささがそこに見て取れるわけだが、私がすでに終息しているマスク問題にこだわるのはこれは単にマスクにとどまる問題ではなく、そう言った細部にこの緊急時に政権の「ふらつき」というものが如実に見て取れるということに他ならない。
ちなみにこの天下の愚策に使った金が4百66億円とあるから試算してみると、困窮に陥る1万軒の何らかの店舗に一店舗あたり466万円、10万軒の店舗ではそれぞれ一店舗あたり46万6千円もの救済金を配ることのできる大変な額である。
そう言った大変な資金をみすみすドブに捨てたということだ。
さらに付け加えるなら緊急事態宣言で何一つ緊急に対策を打たなかったにも関わらず、この天下の愚策の無駄使いだけは超スピードで挙行しているところをみると安倍のこれまでやってきた過去の仕業からするとそこに何らかの利権が絡んでいたのではないかとの疑いすら抱く。
そんな現自民党は過去の民主党の為政を「悪夢」と揶揄したが、すでに現政権もまたすでに自らの悪夢にうなされていると言って良いだろう。
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ただし、ここまで政権の底が割れたことは逆に私たちに一定の覚悟を与えたという意味でよかったことかも知れない。
この緊急事態宣言前、そして後に私たちとって変わるべきことがより明確化したからだ。
それは単純に自分の身は自分で守るということである、
「うつさない、うつらない」に日常の行動を収斂させるということだ。
そのことがよりはっきりしたわけだ。
その「守る」の中の最も重要なアイテムの一つがマスクということである。
そんな中、台湾のデジタルミニスターことオードリー・タンIT担当大臣がなかなかハッピーな動画をアップした
品薄のマスクの使い回しとして船長はどこの家庭にもあるドライヤー消毒を推奨したが、タンさんは電気釜を推奨しているのである(8〜10分間空の電気釜にマスクを入れ熱で殺す)。
一本取られた感がなくもないが、60度で死滅するコロナウイルスを熱で殺すという案は同じなので彼と船長は兄弟とみなしてもよいだろう。
予算ほぼ0円、国民の誰もが等しくその恩恵を受ける。
これこそ政治というものである。
クルーのみんなもさっそく明日からやってみると良い。
このCATWALK号ではもう安倍は相手する意味はないと思っている。
これまでもクルーの中から身を守る方策がいくつか飛び出しているが、荒海航海に向けて、このオードリー・タン君のように色々な案を出してもらいたいと思う次第だ。
追記
全家庭に布マスクを配った厚労省は以下のようにとうとう白旗を上げ、N95マスクの再利用についての情報をかき集めているようだ。
https://www.mhlw.go.jp/content/000619969.pdf?fbclid=IwAR1SGtFBXqd5Pw_vvxyItA6elvp22f4QnRBeXS_jsp4c-6U34ieJdiVf4NI
IQ180のオードリー・タン君に聞け。