Shinya talk

     

 

2014/03/08(Sat)

組織化されない”ばらけた”小さな2.26事件について(Catwalkより転載)



柏の事件に関し、キャットメロンの読者からたくさんの問い合わせがあったので、すでに昨日の時点でCatwalkの方に書いていた、ブログを転載する。




「2.26事件からはものすごく早かった」



今日昼に会食した音楽評論家の湯川れい子さん(2.26事件の起こった1936年生まれ)と話していて印象に残った言葉である。

同じようなことを瀬戸内寂聴さんも以前に話していたことがある。



ご承知のように2.26事件とは天皇の親政を望む「皇道派」と自からの手で政治を支配しょうとする「統制派」の争いの中で皇道派の青年将校1400名が決起して首相官邸、警察庁などを占拠し、高橋是清、斉藤実らを暗殺した事件である。



結果的に皇道派は天皇の怒りを買い、青年たちは粛正され、それとともに軍部(統制派)が巨大な力を持ち、政治を支配し、その結果太平洋戦争へと雪崩れ込んでいくわけである。



2.26事件からはものすごく早かった、という言葉の中には今回の都知事選において泡沫候補と言われていた極右の田母神に主に青年層から60万もの票が入ったことの危うさが込められている。



昨今の世の中における一部の狂信的な青年の急激な右傾化傾向と2.26事件の時代の青年の極右化傾向とは図らずも似通っているわけだ。



この2.26事件はアメリカ発の世界恐慌を受けて深刻な不況に陥り、農村の娘が身売りをするなど、大きな不安が日本を襲ったところに端を発するわけだが、昨今の平成時代はその時代とは比べようもなく豊かであり、一見近似する時代環境ではないように思えるが、実はある階層においては近似した環境がないとも言えない。



それは小泉改革以降におけるブラック企業に象徴される昨今の若年層における奴隷化とも言える劣悪な雇用環境である。



昨今企業は内部留保をしこたま溜め込み、勝ち組みはひとつの階層を形成している反面、1日8時間まじめに働いても年収200万円以下でまともに暮らして行けない若者は世の中に溢れかえっている。

それに男女差はなく、食っていけない若い女性が風俗に身をやつすということも普通に起こっているわけである。それはまさにあの時代に食っていけない農村の娘が身売りをした情況と酷似している。



いったいこれがGDP世界第三位の国かと思えるほど若年層の貧困化は深刻である。



つまり2.26事件時代を襲った不況と不安は、その特定の困窮階層においてのみ非常に近似していると言える。



さらに言えば彼の時代は日本全体が困窮していたわけだが、この平成にあっては貧富の階層化が起こり、富める者は富み、窮する者は大貧民のごとく社会の底辺において抑圧され悶々としてストレスを溜めている。



そういう平成時代における特殊な環境の中において、私はすでに2.26事件は”非組織的”に散発していると見ている。



今日逮捕された柏通り魔事件の竹井聖寿容疑者もそのひとりだと見ていたところ、彼は逮捕されてのち社会への報復(飛行機をハイジャックしスカイツリーに突っ込むなど)を口走っているらしい。



ヘイトデモに不満のはけ口を求めるような、この新たな極貧化した若年層のストレスは遠くは秋葉原無差別殺傷事件を起こしたトヨタ系下請けの契約社員の加藤智大容疑者、そして竹井聖寿容疑者のみならず、2.26ならぬ2.23に無職の大野木亮太容疑者(30)が「人をはねて殺すつもりでやった」と名古屋駅近くの交差点の歩道に乗用車が突っ込み、歩行者13人をはねたあの事件にも共通した臭いを感じる。







自分の子供に熱湯をかける青年にも同様の臭いがあるし、これは少し年上だが派遣社員ということでは極貧層と言えるあの食品大手マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬県大泉町)で冷凍食品に農薬「マラチオン」を混入させたとして逮捕された中年男性にも共通分母がある。



さらに敷衍すればここ10年嵐のごとく起こっている「オレオレ詐欺」もまたこのいびつな階級社会における困窮層(怨念層)の犯罪とも言えなくもないだろう。





そして「アンネの日記」の破断事件である。

こういったあたかも散発する2.26事件とも言える事件の起こる時代背景の中の一連の一見無目的な、そして偶発的とも見える困窮層の起こす事件が、ひとつのイデオロギーの外套をまといはじめた事件として(ヒトラー礼賛とも受け取れる)アンネ事件は注視しておかなくてはならないと考える。



連行の最中「ヤフーチャット万歳!(ネットアンダーグラウンド礼賛とも受け取れる)」「ジョアク(除悪)連合万歳!」と叫んだ竹井聖寿容疑者が「大日本帝国万歳!」と叫びいつつ、イデオロギーという鎧を纏いはじめてもおかしくないということである。



2.26はすでにイデオロギー化の危うさ含みながら平成のこの世に萌芽しはじめているのかも知れない。



その意味においてそのような時代傾向が”組織化”された数量となった田母神信仰”事件”は不気味である。



そして公共放送に籾井というゲッペルス宣伝相を送り込んだ阿倍独裁政権は今日、憲法解釈を強引に自からのものとして引き込み、集団的自衛権成立にさらに拍車をかける勢いだ(断っておくが防衛論に関して私は戦後左翼ののどかな平和主義と軌を一にしない)。



そういった”頂上”の独走と時代の底辺の負のエネルギーが呼応しはじめたとき、この国にいったい何が起こるのか。



その速度があの時のように「ものすごく早い」ものでないことを祈りながら、用心深く注視する必要があるだろう。







     

 

2014/03/05(Wed)

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ノラリクラリと批判の嵐が過ぎ去るのをやり過ごせ。世間とマスコミの熱なぞすぐに冷める。これが籾井NHK会長と安倍首相の思惑である。私たちは粘り強く受信料のカンタン支払い拒否を履行しつづけ、マスコミも粘り腰を見せる正念場だ。

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