Shinya talk

     

 

2013/06/07(Fri)

天上の音楽(Cat Walkより転載)

こんなことで多くの乗客を乗せる船長など果たしてやっておれるのだろうかと、例のあのイタリアの”バカ船長”のことがふと頭をよぎるのだが、先日安部首相の第三の矢記者会見をテレビで見ていたら首相の額の斜め35度、中空2、3メートルのところに4人の天使が飛んでいるのが見えたのである。



こういう朦朧とした幻視にとらわれていては手にする舵も夢うつつ、船は座礁しないとも限らない。



アブナイ、アブナイ。



件の天使はいつもテレビ画面に見えていたわけではなく、カメラがグッとズームアウト、つまり引いて会見場の全景が映ったときに見えたわけである。



4人の天使はそれぞれの手にふたつのヴァイオリン、ビオラ、それにチェロを携えており、聞き耳を立てるとどうやら弦楽四重奏を奏でているらしいが、どうやら記者たちには聴こえておらず、安部首相だけが聴こえているようである。



首相はその心地よい”天上の音楽”に乗せて例によって歌うがごとき流暢な(舌が短いのか、ときおり発音に子供っぽいラ行欠損が生じるものの)喉声(腹から声が出ておらず歌としては本物ではない)で「サッカー日本代表がワールドカップ出場に一番乗りを果たしました。日本もまた、世界の中心に躍り出さなければなりません!」「医薬品のネット販売の原則解禁します!」「国家戦略特区を創設し、国際的なビジネス環境を整備します!」ついには「1人あたりの国民総所得を、10年後に150万円増やします!!」など実に心地よい歌をうたっている。



この歌はどうやら「第三の矢」というタイトルらしい。



そう言えば、弦楽四重奏を奏でる4人の天使からちょっと離れてもうひとり天使を私は幻視している。



この天使は手に矢をつがえた弓を携えてテレビ画面の隅っこの方に映っており、この天使が矢を射り、安部首相の後頭部に当たった直後に首相は朗々とメロディアスなご託宣を述べはじめたのである。



思うにこれまで船長は頭が常人同様はっきりしており、幻視などしなかったから気づかなかったわけだが、このたびは安部という人はいつも5人の天使を引き連れた合奏団におけるボーカルパートだったということにはたと気づいた次第である。



長年の不況に気力を失い、

学級崩壊のごとき政権に身をまかせてさらに疲弊し、

追い打ちをかけるがごとき大震災、

さらには原発災害と、

息も絶え絶えな、わたしたちニッポン国民はまさにこんな天使の歌を待ち望んでいたのだ。



たとえそれが空耳でもよい、天使の歌が聴きたいといういわれなき願望が実態のない空虚なミニバブルを下支えし、あの原発さえバラ色の未来に見えるという、なんだか私の幻視に似た迷妄がニッポン国民の頭上を霧のごとく被っていたわけである。


だが安部首相の頭上に天使たちが危なっかしいミニバブル音楽を奏でていることは記者会見上の記者たちにもテレビを見ているニッポン国民にもどうやらまだ見えていない。



見えていないにも関わらず、なぜ株価が一気に下がったのか?



実を言うとそのとき、私には天使たちのうしろに一瞬うっすらと背後霊を見ている。



背後霊は一瞬たち現れ、瞬く間に画面から消えたのだが、それは株の高速取引に符号する1000分の1秒くらいだったように記憶する。





私は写真家だからその一瞬画面にたち現れ、瞬く間に消えた背後霊の顔をはっきりと目に焼き付けているのだが、のちにあれはどこかで見た顔だと思い返すに、はたと気づいた。



サタンである。



この地球上には巨億のマネーゲームをもてあそんで無目的に資産を増やす金のみが目的のサタンのような顔というか”サタンそのもの”が存在しており(以前その手の人間がNHKインタビューに出て来たが、本当にサタンのような顔をしていた)、安部首相が第三の矢の歌をうたっている最中に、そのサタンの右手の指が一瞬素早く動き、パソコンのどこやらのキーを叩いた。



そのパソコンのキーが”売り”を指示するキーであったことは言うまでもない。



恐ろしいことにこのサタン、私同様、どうやら安部首相の頭上に浮遊する天使が常に見えているらしいのだ。

というより天使の背後でタクトを振っているやも知れぬ。



まあ、私の場合は天使が見えたからと言って耄碌からのただの幻視であり、一銭金も稼げず、何の役にも立たないわけだが。



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